主催:一般財団法人吉岡文庫育英会  株式会社新建築社
  

最新情報

2018年3月29日
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2018年2月1日
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過去のコンペ

 

AI(人工知能)は倫理的な問題を孕みながらも、社会のさまざまな領域で本質的な環境や価値観の変化を加速させています。さらにディープラーニングを活用したAIは、人間のあらゆる経験から独立した認識を持ち、一種の想像力をも獲得しつつあります。小説、音楽、アートなど既にAIによる創造性の実験は始まっています。建築はどうなるのでしょう。新しいテクノロジーへの過度な期待と短絡的な未来予測は軽薄かもしれませんが、かといって建築が技術革新と共に進化する可能性は否定したくない。そんな過渡期にこそ既成概念にとらわれない設定、多様な問題提起、他分野とのコラボレーションなど、より実験的な模索が可能な気がします。AIへのアンビバレントな気持ちがあるからこそ、近い将来AIが建築を考え始める前に、人間がとことん考える必要があると思うのです。
よって今回の新建築住宅コンペでは、AIを活用した新しい世界、AI社会の住宅の可能性を示してほしいと思います。ル・コルビュジエが「住宅は住むための機械である」と唱えてから約95年が経ちました。AI社会の住宅は人間にとって想定内の人工物である「機械」を超えた存在になり得るかもしれません。想定外のものは想定できないジレンマがありますが、自己進化し、マインドのようなものを持った家が生まれる可能性があるということです。
もちろんこの課題設定においては、AIそのものが設計するというのがいちばん直接的な手法でしょうが、現時点では難しいと思いますので、設定がカギとなるでしょう。AIによって仕事がなくなり仕事場の対局としての住む場という概念が解体する、都市が制御できるようになり都市と住宅が同化する、モビリティと住宅がさらに統合する、食におけるテロワール文化のように狭い範囲での環境を反映した究極のバナキュラー住宅ができる、人工的均質空間はなくなり家が自然の一部のようになる、もうそれは人間のためではなくポストヒューマンのための住宅になる、などですが、もっと大胆に想像できると思います。
最後にもうひとつ強調したいことがあります。このコンペが建築家以外にも開かれているということです。AIが考え始める時、多様な範囲を網羅するでしょう。よって広い人からの広い提案を求めるべきだと考えています。通常の建築コンペのクライテリアにとらわれずに審査しますので、他分野からの積極的な参加と自由な表現を期待しています。