プロポーザル部門 佳作
西川悠(フリーランス) 西川拓(西川拓建築設計事務所)
左から西川悠氏,西川拓氏.
公園の窓際
分煙のためだけの空間をつくるのではなく,人びとが雑多に共存できる状態をつくり,結果的に分煙できる状態をつくりたいと考えた.
まず,家の窓辺を切り取ったような形をした家の「欠片」を,蛇行する道を含む公園内にパラパラと散りばめるように配置する.ひとつの欠片の中にL字の壁を配置することで,誰かがたばこを吸い始めても,その裏側ではたばこを吸わない人が居合わせることができる.それらの家の「欠片」が集まったり,ほどよく距離が取られて人の居場所がつくられ,さまざまな使われ方を享受していける場所になると考えた.大きな公園の風景を共有しながらも,窓を介してこちら側とあちら側が柔らかく分かれていく.人びとが自分の居心地よい場所を主体的に選ぶ行為から,自然と分煙される.そんな場所の提案である.