佳作

「都市の表情に住まう」

  • HernanConcha Emmrich
  • 浅見泰則
    (以上2名、東京工業大学大学院)

※用紙タテ使いのため規定外となりますが、審査委員の判断により、その内容が評価されて佳作に選ばれました.

佳作 「都市の表情に住まう」作品写真 ※作品クリックで拡大されます

300人の生活風景がファサードとして都市に現れる集合住宅を提案します.

東京には様々な人が住んでいます.そんな多様な人の多様な生活を受け入れている住宅というのは、今日、あまりにも単純で画一化されすぎているように感じます.
例えば、画家の住む部屋.ただの四角い箱の部屋よりも自分の作品を一度に見渡せるだけの長くて大きな壁面と換気ができるベランダが欲しい.
例えば、IT起業家の住む部屋.昼間は一日中働いていてとにかく忙しい.せめて夜、部屋に帰ってきたときはリラックスしながら趣味の映画鑑賞を思う存分楽しみたい.大きな部屋の大きなスクリーンに映画を投影して贅沢なホームシアターがあれば幸せ.
例えば、大学生の住む部屋.とにかく一日のほとんどを大学とアルバイト先で過ごすので、自分の部屋は寝ることができるだけの小さい部屋でいい.その代わりに家賃は安く.
例えば、歌手を目指す人の部屋.毎日カラオケボックスに通ってボイストレーニングをするよりも、常に自分の部屋で練習がしたい.周りの人に迷惑がかからないような分厚い壁で部屋の中の音の反射がいいところに住みたい.
そんなみんなの家に対する願望をそのまま合わせもった、300人一人一人の個性の集合体のような家はできないかと考えました.

またこのファサードと人々の生活が一体化した建物は、周辺環境に対応するように4面で異なった表情を見せます.例えば大通りに面した西側は高い密度で住戸が配され、北側・南側の建物が近い部分のファサードは大きなヴォイドで抜かれています.また、広場に面した東側は緑を垂直に連続させながら、この建物に囲まれたヴォイドと連続して見える密度で成り立っています.

このように様々な生活が集まった状態が周辺環境と対応しながら、街に表情として現れることである種のエネルギーが生まれ、都市にとっても集合住宅というものが今までにない新しい意味を持ちだすのではないでしょうか.

最新情報

2008年2月1日
審査講評を追加しました.
2007年12月21日
2007年11月9日
応募登録の受け付けを終了しました.
2007年8月23日
応募登録受け付けを開始しました.
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