時代のニーズにあった「デベロッパーと建築家・デザイナーとの新しい関係」を探る機会として、2002年からスタートした 「住空間デザインコンペ」。第4回からは名称を「三井住空間デザインコンペ」とし、新たな装いで実施しています。現実の生活を前提として、いかに「快適な居住空間」をつくり出すことができるか。
また、単に装飾的になるのではなく、個人の嗜好性を生かしながら、誰もが快適に感じることができる住まいとは何かを求めてきました。 2010年の第6回コンペでは、応募登録1,331件、応募作品562点という多数の応募をいただいています。
第7回目となる今回は、東京都心にある高層マンション「(仮称)港区高輪三丁目II計画」(21階建て、総戸数92戸)を課題建物として取り上げます。コンペ対象住戸は角部屋の4階住戸(専有面積約75.49m2)。構造躯体と若干のパイプスペース、キッチンや洗面室といった水場の位置を除き、自由にプランニングしていただけます。
高輪台は、周囲に開けた高台で、交通の便もよく、優れた住空間を享受しつつ、都心の利便性もある場所です。そうした都心を好み、夫婦で住んだり、親子で住んだり、仕事をしたりと、住居に多様な用途を求めるアクティブシニアのための住戸プランを提案してください。子育てが終わり、自分の時間を大切にする方のための住居です。それぞれのライフスタイルに合った生活のベースとなる、資産としても継承できるものです。これらのアクティブシニアのライフスタイルも想定し、都心の立地を最大限生かしたスマートな住まいを考えてください。
選ばれた最優秀案は、それに基づき実際に建設の上分譲されますので、それを踏まえた魅力を持つ案であるとともに、今後のマンションの可能性を広げるようなプランであることが求められます。 7回目を数えるこのコンペは、若手建築家の登竜門として位置付け、より多くの実務経験者に応募していただきたいと考え、最優秀賞は「三井住空間デザイン賞」として表彰します。また、2段階審査方式を採用し、2次審査を公開プレゼンテーション形式で行います。これまでの受賞作品のうち、第3回のパークタワー秋葉原、第4回のパークコート虎ノ門愛宕タワー、第5回のパークホームズ成増マークレジデンスでは、コンペ作品が建設・分譲され、入居済みです。第6回のパークホームズ滝野川も分譲が終わりました。第3回のパークタワー秋葉原は2007年度の、第5回のパークホームズ成増マークレジデンスは2009年度のグッドデザイン賞を受賞しています。わたしたちはこのコンペを通して、集合住宅の新しい価値が創造されることと同時に、同じ時代を共に生きる優れた建築家・デザイナーとの出会いを期待しています。