主催:南三陸町  後援:株式会社新建築社

最新情報

2015年9月1日
2次審査結果発表ページを公開しました。
審査講評を公開しました。
2015年6月25日
1次審査結果発表ページを公開しました。
公開2次審査観覧希望者募集を開始しました。
2015年6月9日
登録の受け付けを終了しました。
2015年3月5日
登録の受け付けを開始しました。
2015年3月2日
ホームページをオープンしました。
応募登録の受け付けを開始しました。
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審査講評

 

隈研吾

橋のコンペは日本では希少ですが,非常に有意義だったと思います.森・蜷川案は町全体を考えた大きな回遊性,アーバンデザインとしての橋という点で今までにないような新しさを感じました.堀越案は津波の記憶と橋のデザインを組み合わせていて,歴史や記憶の残し方としてよいセレクションだと思います.ただし,2案とも予算など,解決しなければならないハードルがたくさんあるので,ここで最優秀賞を決めないで,延長戦として2案で協議を続けていければと思っています.2案とも力強い案なので,どちらを実現するにせよ,ふさわしい案が選ばれたと思います.

 

新谷眞人

215点という多数の応募があり,さまざまな視点で復興の橋を捉えていて,どれもユニークで興味深いものばかりでした.復興のシンボルとするのか,復興後の町民の生活を考えるのかなど,こちらも刺激を受ける案が多かったです.1次審査を通過した作品が多様だったのはそういう理由です.今回2次審査で熱のこもったプレゼンをしていただきましたが,コストや可能な技術かどうかなど,もう一度詳細に検討しなければならないと思い,最優秀賞を1案選ぶのではなく,優秀賞を2案としました.それでも,作品全体のレベルは高かったと思います.

 

平野勝也

森・蜷川案は「体験」ということが素直に表現されていて評価しました.この町のシンボルである海を眺められる場所を曲線というかたちで持ち込み,海を見るという「体験」ができるスペースをつくったことに関心しました.堀越案は構造が全面に出ていて,表現が強すぎるという気はしたのですが,フレーミングをして内と外の風景を切り取っているところと,津波の高さを表現しているところがストイックでよかったです.土木の世界にいると,なかなか橋のデザインコンペに出会わないので,たいへんありがたい機会だったと思います.このコンペに限らず,いろいろなことでみなさんと一緒この町をよくしたいと思います.

 

原田真宏

森・蜷川案は建築の視点から見ても優れた案です.円弧の外側を向くと橋の存在が消えて,海と対峙する私だけになる.逆に内側を向くと復興が進む町と共に,橋上広場に集まる仲間が視界に入ってくる.円弧の特徴をうまく使っていて感心しました.堤防との取り合いはこれからの課題ですね.堀越案は構造のヒエラルキーが未整理で,それが意匠にも表れていて気になりますが,フィーレンデールの枠組みとそこにかかる太鼓橋はいい風景をつくるでしょう.いずれが実現するにせよ,よい成果となることで,このような機会が増えていけばと思います.


 

佐藤仁

この町にどのような回遊性を生み出すのかという点で,復興の橋は南三陸町志津川地区にとって重要な橋で,そういった観点から公募をさせていただきました.今日,このように優秀賞2組を決定することができ,感慨ひとしおです.どちらかに決めた際には必ず実現させていただきたいと思います.また,ご参加いただいた応募者の方や関係者のみなさまにも,こういう橋になったんだなということを含めて,南三陸町に足を運んでいただければと思います.本当にありがとうございました.