プロポーザル部門 佳作
酒谷粋将(東京大学大学院) 鈴江悠子(オンデザインパートナーズ)
左から酒谷粋将氏,鈴江悠子氏.
たばこ一本分 歩きたばこが都市を繋ぐ
たばこを吸う行為の周辺にはたくさんのルールが設定されている.そうしたルールのおかげで,たばこを吸う人,吸わない人が社会の中でうまく共存できている.一方でそのルールが厳しく,人びとの行為が制約されすぎている側面があるようにも思える.そこでそんな頑ななルールをひとつ破ることで,人とたばこの関係を大きく変えることができないかと考えた.たとえば都市の中で「歩きたばこ」が許される時,どんなことが起こるだろうか? 「たばこを吸う」というミクロな行為が「歩く」行為を伴う時,たばこを媒介として人びとは敷地の境界を超え,マクロに活動を展開していく.歩きたばこを推奨する喫煙経路がこの場所と都市とを繋いでいくのである.