結果発表

アイデア部門:佳作

勝又洋(日本大学大学院)

古谷
ビルとビルの隙間に分煙空間を上手に取り込み,かつ自然通風が利用されている.それによって,建物内部のリフレッシュコーナーでたばこを吸うのとは違う,爽快な場ができている.しかも重層化もできて風が通り抜けるのはイメージとしていい.大地のような感覚が,空中に持ち上げられる必要もあったと思うが,もう少しプレゼンテーションを頑張ったらよかったと思う.
六鹿
既存のビルの内部に個別にリフレッシュする空間をつくるのではなく,インフィル的にビルの間につくるのはよいアイデア.これが軽やかに表現されているとなおよかった.
 

夏間一郎(神戸大学大学院)
鵜飼浩平(神戸大学大学院)
長山寛(神戸大学大学院)
大平泰巨(神戸大学大学院)

六鹿
メカニズムが勝ちすぎているきらいもあるが,人の頭上に煙を吸う口が降りてくるのは面白い.
古谷
たばこの煙は下より上に立ち上らせたい.でもそれを広げないために天井が降りてくるのは面白い発想.網で吸わなくても,中のボールで吸ってもよいと思う.とにかく吸う位置が近付いてくるのは面白い.
妹島
降りてきたシェードが傘のようになっていて,その下で吸えるようになっているといい.
 

岩間直哉(東京工業大学大学院)
金塚雄太(東京工業大学大学院)

西沢
分煙についての提案にはなっていないが,いろんな花の種を入れたたばこを販売することで,吸い殻を捨てるという行為をプラスのイメージに変えたところを評価した.
古谷
プレゼンテーションのイメージがすごくよい.街中に捨ててしまうのではなく,パブリックスペースの中に捨てるところがさまざまな場所で用意され,ポケットパークのように育っていく展開もあり得る.
妹島
ゴミ箱が置いてあるのと同じように捨てる場所があって,そこにお花が咲けばかわいい.買う時も,花の種類でたばこを選べるようだったりするのも面白い.
佐藤
プレゼンテーションが本当にきれいである.
 

福富葉子(白水社)
小俣弥生(白水社)
新海一朗(白水社)
松本麻野(白水社)

妹島
プライベートな嗜好品,楽しみということが空間化されている.外に出た時も,自分の手元だけで煙を処理できるというのは,周辺の人と仕切られる必要もなくなるので,本当にこういうのができたらいいと思う.
六鹿
徹底的な小ささがよい.自分の手元で処理できて外にまき散らさないという奥ゆかしさもよい.
 

降矢宜幸(明治大学)

妹島
家具のスケールを大きくして,分煙空間をつくっている.パーティションとか何か特殊な装置をつくるのではなく,大きな椅子が自由な分煙空間をつくれるはずだというおおらかさがよい.
古谷
よく喫煙室に置いてあるスモーキングテーブルのひとつのバリエーションだと思えば,すごくいい.ひとりひとつ分のスペースだと機械の露出を避けられないが,これだけ巨大化している家具だと収納が可能になる.自分で吸った煙が自分の回りで吸われるという,自己完結した家具としてつくったら,リアリティがある.そこまで提案されていないのが残念なのですが......
西沢
喫煙者が増えると,世代や性別に合わせてソファのバリエーションが増えたりして,面白い空間ができると思う.