主催:株式会社NTTファシリティーズ  後援:株式会社新建築社
 
2012年12月3日
結果発表ページと審査講評ページを追加しました。
2012年10月2日
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審査委員長

月尾嘉男(東京大学名誉教授)


1942年愛知県生まれ/1971年東京大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了/1972年都市システム研究所所長/1975年余暇開発センター主任研究員/1976年名古屋大学工学部建築学科助教授/教授/1989年東京大学生産技術研究所客員教授/1991年東京大学工学部産業機械工学科教授/2002年総務省総務審議官/2003年東京大学を定年退職/現在,東京大学名誉教授

建築デザイン・設計分野におけるコンピュータ利用の草分け的存在.学生時代は都市工学,交通システム工学の研究を行っていたが,40代後半からは情報通信を活用したまちづくりや地域起こしを提唱し,全国各地に自身が塾長に就任した私塾を設けている.情報通信審議会をはじめ,政府や地方自治体の審議会や懇談会の委員等を歴任.現在はメディア政策,地球環境問題に関心を持ち,専門領域は多岐にわたる.また,カヤックやクロスカントリースキーを愛好し,2004年2月に南米大陸南端のケープホーンをカヤックで周回することに成功する.

主な著書
『映画の考古学』(フィルムアート社,1977)
『情報化時代のビジネス環境』(日本放送出版協会,1987)
『建設産業リストラクチャリング戦略』(清文社,1988)
『サイバーテクノロジー 情報時代の技術と社会』(NTT出版,1990)
『日本を変える新・成長産業 次なる繁栄の牽引車』(PHP研究所,1994)
『元気な産業意外なビジネス』(PHP研究所,1999)
『環境共生型社会のグランドデザイン』(NTT出版,2003)
『縮小文明の展望』(東京大学出版会,2003)
『地球の暮らし方』(遊行社,2006)
『100年先を読む──永続への転換戦略』(モラロジー研究所,2011)
『地球千年紀行──先住民族の叡智』(清水弘文堂書房,2012)

 

審査委員より

無縁社会という言葉が衝撃をもって社会に登場しましたが,東日本大震災は,そこから脱却するためには地域社会が重要であることを社会に明確に伝達しました.これまでの建築設計や都市計画は個人や家族の生活を基本にし,それらの相互関係を十分には考慮してこなかった傾向にありました.しかし,人口が減少する一方で,人びとが都会に集中してくる日本の未来を考慮すると,希薄になっていく人びとの「つながり」を回復させる視点が重要になります.それは空間の計画だけで回復できるものではなく,空間を運営する仕組が必要です.このアイデアコンペは,そのような視点からの提案を期待するものです.

 
 

審査委員

山田昌弘(中央大学文学部教授)


1957年東京都生まれ/1986年東京大学大学院社会学研究科博士課程取得後退学/東京学芸大学社会学研究室助手,専任講師,助教授,米国カリフォルニア大学バークレー校客員研究員/2004〜2008年東京学芸大学教育学部教授/2006年「格差社会」で流行語大賞トップ10受賞/2008年中央大学文学部教授

子ども・若者・夫婦・家族を取り巻く現状を常に多角的に解析し,その打開策を提言し続ける社会学者.専門は家族社会学・感情社会学・ジェンダー論.未来に希望や夢を抱けなくなった現代社会において,子どもや若者の導き方,夫婦の関係や家族のあり方など,未来を見据えた鋭い提言を続ける. 2007年には,『新平等社会 「希望格差」を越えて』で日経BP・BizTech図書賞を受賞.近年では,新書『「婚活」時代』の中で,白河桃子と共に「婚活」という造語を考案・提唱している.

主な著書
『近代家族のゆくえ 家族と愛情のパラドックス』(新曜社,1994)
『結婚の社会学 未婚化・晩婚化はつづくのか』(丸善ライブラリー,1996)
『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書,1999)
『家族というリスク』(勁草書房,2001)
『希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(筑摩書房,2004)
『迷走する家族 戦後家族モデルの形成と解体』(有斐閣,2005)
『新平等社会 「希望格差」を越えて』(文藝春秋,2006)日経BP・BizTech図書賞を受賞(2007)
『少子社会日本 もうひとつの格差のゆくえ』(岩波書店,2007)
『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン,2008)白河桃子との共著
『なぜ若者は保守化するのか 反転する現実と願望』(東洋経済新報社,2009)
『家族の衰退が招く未来』(東洋経済新報社,2012)塚崎公義 久留米大教授と共著

 

審査委員より

つながりを自由に表現してみてください.
いくら物質的に豊かになったとしても,人と人のつながりがなければ,人は幸福に暮らせません.いくら快適な空間にいても,それがひとりのための空間である限り,そこにはつながりによる幸福はありません.つながり自体は目に見えませんが,人がつながるためには,場所が必要です.
人が幸せに生きていくために,つながりが生じる場,つながっていることが目に見えるような場,あなたのアイデアで,さまざまなつながりが可能になるような仕組みや場の提案を期待します.

 
 

安田雪(関西大学社会学部教授)


1963年東京都生まれ/1986年国際基督教大学教養学部卒業/1993年コロンビア大学大学院社会学専攻博士課程修了(Ph.D.)/1995年立教大学社会学部助教授/2007年東京大学経済学研究科大学院・特任准教授/2009年関西大学社会学部教授

コロンビア大学でSocial Network Analysisの大家に師事し,人や組織のつながりかたを考察する「社会ネットワーク分析」が専門.ネットワークの形が人や組織に及ぼす影響力を,大学,企業,NPOなどと連携して研究している.また『ONE PIECE』を題材とした研究にも定評があり,NHK『クローズアップ現代』(2011年2月放送)に出演し,「ゆるぎない信頼」についての独自の解説は大きな反響を呼んだ.『ルフィの仲間力「ONE PIECE」流,周りの人を味方に変える法』(アスコム,2011)はベストセラーとなっている.『ネットワーク分析──何が行為を決定するのか』(新曜社,1997)『つながりを突き止めろ』(光文社新書,2010)など著書多数.最新刊は『ルフィと白ひげ──信頼される人の条件』(アスコム,2012).

主な著書
『ネットワーク分析──何が行為を決定するか』(新曜社,1997)
『大学生の就職活動』(中央公論新社,1999)
『実践ネットワーク分析──関係を解く理論と技法』(新曜社,2001)
『人脈作りの科学』(日本経済新聞社,2004)
『Pajekを活用した社会ネットワーク分析』(東京電機大学出版局,2009)
『つながりを突き止めろ』(光文社新書,2010)
『パーソナルネットワーク──人のつながりがもたらすもの』(新曜社,2011)
『ルフィの仲間力「ONE PIECE」流,周りの人を味方に変える法』(アスコム,2011)
『ルフィと白ひげ──信頼される人の条件』(アスコム,2012)

 

審査委員より

私たちは,勉強させられたことや教わったことはすぐ忘れてしまいます.でも,自分で気づいたことは,絶対に忘れません.つながりの価値があらためて見直されています.東日本大震災後に人びとは,「絆」の価値を再認識するようになりました.ただ,少し前まで私たちは,人間関係を「しがらみ」と呼んだりしていたのです.私たちはどこかで人と関わることにためらいや不安を感じたりもします.関係は喜び,祝福でありながら,悲しみや重荷にもなります.
つながりへの自然な気づきを促す風が吹く空間がほしい.声高に叫ぶのでも教え諭すのでもなく,おのずと人々が手を伸ばし合い,互いに微笑んだり,見守ったり,未来の夢を語りあう.つながりへの気づきが生まれる,優しくて強い場の提案を期待しています.

 
 

貝島桃代(筑波大学准教授)


1969年東京都生まれ/1991年日本女子大学住居学科卒業/1992年塚本由晴とアトリエ・ワンを結成/2000年東京工業大学大学院博士課程修了/2000年筑波大学に着任/2005〜2007年スイス連邦工科大学客員教授/2009年筑波大学准教授

独特の視点で都市を読み解き,「建築家が,希望をともにする空間を信じてみることが必要」で「それを使う人々と出会い,構想を膨らませていくその先に,建築の幸せな枠組みは見えてくる」と,ユーザーの立場をふまえつつ都市建築の将来に希望を見据えている.2000年には「ミニハウス」で吉岡賞を受賞している.「ハウス&アトリエ・ワン」(2005年),「まちやゲストハウス」(2008年),「タワーまちや」(2010年)など多数の作品を手掛ける.著書には『メイド・イン・トーキョー』(鹿島出版会,2001),『建築からみた まち いえ たてもの のシナリオ』(INAX出版,2010)などがある.

主な著書
『ペット・アーキテクチャー・ガイドブック』(ワールドフォトプレス,2001)
『メイド・イン・トーキョー』(鹿島出版会,2001)
『アトリエ・ワン・フロム・ポスト・バブル・シティ』(INAX出版,2006)
『アトリエ・ワン 空間の響き/響きの空間(現代建築家コンセプト・シリーズ)』(INAX出版,2009)
『建築からみた まち いえ たてもの のシナリオ』(INAX出版,2010)
『京都土壁案内』(学芸出版社,2012)

主な作品
「ミニハウス」(1999年)
 《1999年度東京建築士会住宅建築賞金賞,第16回吉岡賞を受賞(2000)》
「ハウス&アトリエ・ワン」(2005年)
「まちやゲストハウス」(2008年)
「タワーまちや」(2010年)
ほか多数.

 

審査委員より

建築や空間が,社会構築の枠組になりうるとすると,これからの社会をつなぐ建築や空間とはどのようなものでしょうか?
さまざまな地域や歴史,文化など,世界を観察することから得られた,あなたやあなたの仲間の気づきを仮説に,実感を込めて,具体的に,未来の空間として提案してください.空間は大きなものでも,小さなものでもかまいませんが,その建築や空間が想定している時間についても語ってください.また異分野とのコラボレーションも大歓迎です.
学生ならではの自由な発想からつくられた,元気な作品に出会えるのを楽しみにしています.空間がほしい.声高に叫ぶのでも教え諭すのでもなく,おのずと人々が手を伸ばし合い,互いに微笑んだり,見守ったり,未来の夢を語りあう.つながりへの気づきが生まれる,優しくて強い場の提案を期待しています.

 
 

筒井清志(株式会社NTTファシリティーズ代表取締役社長)


1952年広島県生まれ/1975年広島大学工学部電子工学科卒業/1975年日本電信電話公社入社/1994年設備企画部担当部長/1999年株式会社NTTファシリティーズ総合サービス事業部長/2003年取締役経営企画部長/2009年常務取締役西日本本部長/2011年代表取締役副社長/2012年代表取締役社長

審査委員より

ダイナミックに価値の転換が求められている現在,人と人,人とコミュニティ,あるいは人とまちなど,さまざまな意味での「つながり」は,今後私たちが目指すべき社会を考えるうえで重要なキーワードとなっています.
これからの社会を担う学生のみなさんには,そうした「つながり」を多角的な視点で見つめ直し,これから活かしてゆくもの,変えてゆくべきものをしっかりと捉え,より良い未来を構想していただきたいと思います.
「IT×エネルギー×建築」の融合を目指すNTTファシリティーズとして,みなさんとともに『つながりの未来』について考えることにより,少しでも社会に貢献できれば幸いです.